エンジニア進路図

エンジニアの年収相場を年代別に|公的統計の読み方

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エンジニアの年収相場を年代別に|公的統計の読み方

公開日 2026-10-17現役向け未経験向け

厚生労働省の統計で情報通信業の所定内給与を年齢別に年額換算すると、30〜34歳で約436万円、40〜44歳で約548万円(賞与除く)です。職種別の相場、統計と求人票の数字の違い、企業が提示年収を決める見方を整理しました。

目次
  1. 年収の相場は何を見て決めるか:4つの数字の違い
  2. 公的統計で見る年代別の相場:情報通信業の年齢別賃金
  3. 職種別の相場:job tagとdodaの数字
  4. 年収の分布を見る:平均より、自分の位置を確かめる
  5. 企業規模と産業で変わる相場
  6. 統計と求人票の数字は、なぜずれるのか
  7. 採用する側の視点:提示年収は何を見て決まるか
  8. 転職エージェントで相場を確かめる使い方
  9. 今日からできること:自分の位置を確かめる手順

エンジニアの年収相場は、情報通信業の公的統計で、30〜34歳が約436万円、40〜44歳が約548万円(所定内給与の年額換算、賞与を除く)です。職種別では、dodaの集計でSE/プログラマの30代が495万円、プロジェクトマネジャーの30代が705万円と、職種で差があります。

数字は、調べた相手と計算方法で変わります。どの数字が何を表すかを分けて、年代別に整理します。

年収の相場は何を見て決めるか:4つの数字の違い

年収の統計は、同じ「エンジニアの年収」でも、調べ方で数字が違います。比べる前に、4つの種類を分けます。

数字の種類 例 賞与 残業代
所定内給与(月額) 厚生労働省 賃金構造基本統計調査 含まない 含まない
職業別の年収 job tagの職業ページ 載っているのは「賃金(年収)」の欄の数字。算出方法は明記なし 明記なし
民間の平均年収 dodaの職種別平均年収 支給額で算出(手取りではない) 明記なし
現在の年収の回答 レバテックのIT人材調査 額面上の年収を本人が回答 本人の回答による

公的統計の「賃金」は、基本給や各種手当の月額で、残業代と賞与が入っていません。厚生労働省の用語の定義では、賃金は6月分の所定内給与額の平均で、時間外・深夜・休日の手当などの超過労働給与を差し引いた額です。

年収の目安にするときは、所定内給与×12+年間賞与で計算します。下の年代別の表は、賞与を含まない所定内給与×12の数字です。賞与がある人の実際の年収は、表の額より高くなります。

dodaやjob tagの数字には、年収として別の定義の数字が載っています。表を見るときは、まず賞与と残業代が入っているかを確認します。

公的統計で見る年代別の相場:情報通信業の年齢別賃金

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)は、国が毎年行う賃金の調査です。調査の対象は、日本全国の79,321事業所で、有効回答は59,836事業所(回答率75.4%)でした。

概況の集計は、そのうち10人以上の常用労働者を雇う民営事業所52,242事業所です。賃金は2025年6月分の所定内給与額で、賞与は2024年1月から12月の1年間の額を調べています。

この調査には、情報通信業の年齢階級別の賃金があります。情報通信業は、ソフトウェア開発やインターネット関連など、ITの仕事をする人が多い産業ですが、職種はエンジニアに限りません。営業や事務の人も入った平均です。

月額に12をかけた年額を、表にします(男女計、賞与を除く)。

年齢 所定内給与(月額) 12倍した年額の目安
20〜24歳 26.2万円 約315万円
25〜29歳 30.9万円 約370万円
30〜34歳 36.3万円 約436万円
35〜39歳 41.0万円 約492万円
40〜44歳 45.7万円 約548万円
45〜49歳 49.2万円 約590万円
50〜54歳 49.1万円 約590万円
55〜59歳 51.6万円 約620万円

月額の数字は、千円単位の公表値(262.2、308.7、363.4、410.1、456.8、491.7、491.3、516.3)を、万円に直しています。年額は、その12倍を万円単位で丸めた値です。

情報通信業全体(年齢計)の所定内給与は40.6万円(年額で約487万円)、全産業は34.06万円(同約409万円)です。情報通信業の平均年齢は40.2歳、勤続年数は12.3年でした。

20代後半から40代前半までは、5歳ごとに月額が4〜6万円ほど上がり、45歳以降は伸びがゆるやかになります。50代前半は、45〜49歳とほぼ同じ水準でした。

この表から言えることは、情報通信業全体では、年齢とともに賃金が上がる形になっているという点です。エンジニアの職種に絞った相場ではない点は、押さえておきます。

職種別の相場:job tagとdodaの数字

職種を絞った数字は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)と、民間のdodaにあります。

job tagのシステムエンジニア(受託開発)のページには、全国の年収578.5万円、平均年齢37.1歳、労働時間159時間と載っています。出典は、令和7年賃金構造基本統計調査を加工した数字です。

同じページには、スキルレベル別の年収の範囲(第一四分位から第三四分位)もあります。厚生労働省の2023年度の委託調査をもとにした数字です。

スキルレベル 設計・構築 ソフトウェア開発スペシャリスト
レベル1〜2 420〜620万円 435〜600万円
レベル3 450〜700万円 450〜695万円
レベル4 500〜780万円 500〜750万円
レベル5以上 600〜950万円 550〜866万円

第一四分位から第三四分位は、集団の真ん中の半分が入る範囲です。上下の極端な額を除いた範囲なので、自分の位置を見るのに使えます。

同じ職種でも、スキルレベルが上がると範囲が上へ動き、幅も広がります。レベル5以上の設計・構築では、範囲の下端が600万円、上端が950万円です。

民間のdodaは、職種別と年代別の平均年収を出しています。2024年9月から2025年8月末にdodaに登録した、20〜65歳の正社員の有効回答約60万件の集計です。

職種 全体 20代 30代 40代 50代〜
プロジェクトマネジャー 707万円 517万円 705万円 855万円 867万円
ITコンサルタント 601万円 496万円 649万円 916万円 928万円
システム開発/運用 489万円 404万円 516万円 628万円 662万円
サーバーエンジニア 469万円 411万円 520万円 664万円 653万円
ネットワークエンジニア 455万円 396万円 519万円 658万円 756万円
Webサービスエンジニア 452万円 397万円 515万円 638万円 661万円
SE/プログラマ 435万円 394万円 495万円 576万円 593万円
運用/監視/保守 389万円 350万円 441万円 552万円 630万円
ヘルプデスク 362万円 327万円 375万円 448万円 499万円

20代では、職種間の差が小さく、394万円から517万円の範囲に入っています(この表の範囲で)。40代になると、運用/監視/保守の552万円とITコンサルタントの916万円で、差が大きくなります。

この差は、40代で任される役割が分かれていくことと関係すると考えられます。dodaの数字は、登録者の平均で、公的統計とは集め方が違います。

年収の分布を見る:平均より、自分の位置を確かめる

平均だけを見ると、自分の位置が分かりません。分布で見ます。

レバテックが2025年11月に行った調査(20〜59歳のIT人材3,000人、インターネット調査)では、現在の年収(額面)は次のとおりでした。

年収 割合
300万円未満 9.4%
300万円〜400万円未満 14.8%
400万円〜500万円未満 17.0%
500万円〜600万円未満 18.9%
600万円〜700万円未満 13.6%
700万円〜800万円未満 8.9%
800万円〜900万円未満 6.0%
900万円〜1,000万円未満 3.6%
1,000万円以上 7.9%

最も多いのは500万円〜600万円未満の18.9%です。500万円未満が41.2%、600万円以上が40.0%で、ほぼ半分ずつに分かれます。

1,000万円以上は7.9%です。ここに入る人は少数なので、平均値は、この少数の人に引っ張られて高く出ます。

自分の位置を見るときは、平均より「中心の範囲」を見るほうが実態に近づきます。job tagの四分位の範囲や、この分布の山の位置が、その目安です。

年収への満足度も、年代で違います。同じ調査で、「満足していない」「どちらかというと満足していない」の合計は、20代が32.4%、30代が42.9%、40代が41.8%、50代が40.8%でした。

30代は、満足している人(9.5%+24.8%=34.3%)が、満足していない人より少なくなっています。責任が増える時期に、年収が追いつかないと感じる人が多い年代である可能性があると、調査は説明しています。

企業規模と産業で変わる相場

同じ年齢でも、勤め先の規模で年収は変わります。厚生労働省の統計の企業規模別の賃金(全産業、男女計)です。企業規模は、常用労働者1,000人以上が大企業、100〜999人が中企業、10〜99人が小企業です。

企業規模 所定内給与(月額) 年額の目安 40〜44歳の月額
大企業 38.51万円 約462万円 42.20万円
中企業 32.62万円 約391万円 34.61万円
小企業 30.56万円 約367万円 31.89万円

大企業と小企業の差は、年齢が上がるほど開きます。20〜24歳では、小企業が大企業の87.6%、40〜44歳では75.6%です(大企業を100とした賃金格差)。

産業では、情報通信業(40.6万円)が全産業(34.06万円)より高くなっています。産業ごとの数字は、その産業の全職種の平均で、エンジニアだけの賃金ではありません。

地域や産業、規模の数字は、転職で動かせる条件です。同じ職種のまま環境を変えると、相場の位置が変わることがあります。

上げ方の進め方は、エンジニアが転職で年収を上げる方法に書いています。

統計と求人票の数字は、なぜずれるのか

統計で見た相場と、求人票の想定年収が合わないことがあります。ずれる理由は、主に4つです。

違い 統計 求人票
対象 在籍している人全体の平均 募集する役割に合う人の額(下限〜上限)
賞与 資料ごとに入る・入らないが違う 想定年収に含める額を会社が決める
残業代 所定内給与には含まれない 固定残業代が想定年収に入ることがある
範囲 産業や職種の平均 1つの職種、1つの会社の条件

平均値と中央値も違います。平均は、高い年収の少数に引っ張られます。中央値や四分位は、真ん中あたりの人の額を見る数字です。

求人票の上限は、条件を満たした人に出る額です。自分の相場を見るときは、下限と中央を見ます。

厚生労働省のjob tagには、ハローワークの求人賃金も載っています。システムエンジニア(受託開発)は、令和7年度の全国で月額36.4万円、有効求人倍率は2.54でした。

この求人賃金は、募集時の月額の統計です。賃金構造基本統計調査の所定内給与とは、集めた相手も時期も違うので、数字を直接引き算して比べません。

固定残業代が入っているかは、求人票を読むときに最も差が出ます。固定残業代込みの額面を、残業代が入らない統計と並べると、実際より高く見えてしまいます。

求人票の欄ごとの読み方は、エンジニア求人票の見方にまとめています。

採用する側の視点:提示年収は何を見て決まるか

運営会社の採用支援の現場では、提示年収は、ポジションごとに決まっている給与の幅の中で、現在の年収、等級、任せる範囲を見て決めることが多いです。

採用担当者は、相場の数字を、幅を決めるときに参照します。ただし、候補者に出す額は、相場だけで決まりません。

見ている点は、主に3つです。

  • 現在の年収:前の会社での評価の目安として見る
  • 等級:入社後の社内の位置で、既存メンバーとの釣り合いに関わる
  • 任せる範囲:設計、リード、レビューなど、入社後の役割の大きさ

現在の年収は、その人の評価の出発点になりやすい一方、相場との差の見方は人によって違います。現在の年収が相場より低い場合は、担当範囲や成果を具体的に伝えることで、見られ方が変わります。

レバテックの調査では、エンジニア採用の課題に「オファー条件(年収)の見直し」を挙げた企業が21.0%ありました(企業のIT人材採用担当者1,000人、複数回答、2025年11月)。企業も、相場と自社の条件の差に向き合っています。

相場との差は、数字の差だけでなく、役割の差として捉えます。たとえば、相場が上の職種でも、任される範囲が小さければ、提示額は幅の下側になります。逆に、担当範囲が広い人は、同じ年代の平均より上の額が出ることがあります。

採用担当者は、提示額を上げるときに、上長や経営へ説明する根拠が必要です。根拠になるのは、担当範囲、成果、相場の3つで、相場だけを示されても動かしにくい、というのが現場の実感です。

オファーが出た後の確認の項目は、オファー面談で確認することにまとめています。

転職エージェントで相場を確かめる使い方

自分の位置を、第三者の目で確かめたいときは、転職エージェントの面談が使えます。担当者は、同じ職種の求人の年収の幅を、複数の企業の分だけ見ています。

面談では、現在の年収の内訳(月給、賞与、手当)と、担当範囲を数字で伝えます。そのうえで、同じ経験の人がどの幅で提示を受けているかを聞きます。

エージェントによって、扱う求人の領域や強みは違います。比べ方は、IT特化の転職エージェントの比較にまとめています。

SESから自社開発へ動く場合は、年収の見え方も変わります。経験の作り方は、SESから自社開発へ転職する方法に書いています。

今日からできること:自分の位置を確かめる手順

自分の年収が相場のどこにあるかは、次の順で出します。

  1. 現在の年収を、額面で、月給・賞与・手当(固定残業代を分けて)に書き出す(源泉徴収票や給与明細で見る)
  2. 所定内給与×12+年間賞与で、年額を計算する
  3. 自分の年代の所定内給与(情報通信業の表)と比べる。賞与を除いた額どうしで見る
  4. dodaの表で、自分の職種と年代の平均を見る。平均より、分布の山(500〜600万円未満が最多)との位置を見る
  5. 同じ職種と経験の求人票を10件ほど集め、想定年収の下限と中央を書く(固定残業代込みかも確認する)

3つの数字が重なる範囲が、自分の相場の幅です。その中で、担当範囲が上位か下位かを、実績で説明できるようにします。

差が出た場合は、年収の差を、役割の差として言葉にします。上げ方は、エンジニアが転職で年収を上げる方法に続きます。

よくある質問

Q.エンジニアの平均年収はいくらですか

A.公的統計には「エンジニア」という区分がないため、近い区分で見ます。job tagのシステムエンジニア(受託開発)は全国の年収578.5万円、平均年齢37.1歳です(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)。dodaの技術系(IT/通信)職種別では、SE/プログラマが435万円、システム開発/運用が489万円と、集計によって差があります。

Q.30代のエンジニアの年収相場は

A.厚生労働省の統計で情報通信業の所定内給与(月額)を年額にすると、30〜34歳が約436万円、35〜39歳が約492万円です(賞与を除く)。dodaの職種別では、30代はSE/プログラマが495万円、システム開発/運用が516万円、Webサービスエンジニアが515万円です。

Q.統計の年収と求人票の想定年収が違うのはなぜですか

A.統計は在籍者全体の平均で、求人票は募集時に会社が示す額だからです。対象の範囲、賞与や固定残業代の入れ方、企業規模も違います。数字を比べるときは、何を含んだ額かをそろえます。

Q.自分の年収が相場より低いか、どう確かめますか

A.職種と年代を決めて、公的統計、民間の職種別データ、求人票の3つを並べます。年収は月給×12に賞与を足して出し、基本給と固定残業代は分けて書き出します。3つが重なる範囲を相場の幅とし、自分の担当範囲がその中のどこに当たるかを見ます。

出典(8件)
  1. 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況:調査の概要(厚生労働省) 閲覧日 2026-10-17
  2. 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況:主な用語の定義(厚生労働省) 閲覧日 2026-10-17
  3. 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概要(一般労働者の賃金)(厚生労働省) 閲覧日 2026-10-17
  4. 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概要(企業規模別にみた賃金)(厚生労働省) 閲覧日 2026-10-17
  5. 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概要(産業別にみた賃金)(厚生労働省) 閲覧日 2026-10-17
  6. システムエンジニア(受託開発) - 職業詳細(厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)) 閲覧日 2026-10-17
  7. 平均年収ランキング(職種別・2025年版)(doda(パーソルキャリア)) 閲覧日 2026-10-17
  8. レバテック IT人材白書 2026(レバテック株式会社) 閲覧日 2026-10-17

文:エンジニア進路図編集部(運営:株式会社OpenYouth) 編集方針

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