28卒(2028年3月卒業予定)のエンジニア就活は、政府の日程ルールより早く、大学3年の夏から選考につながります。企業調査では、内々定出しを3年生の12月までに始める予定の企業が47.3%でした。
政府の呼び方では「2027(令和9)年度卒業・修了予定者」にあたり、大学院修士課程の1年生も同じ日程が対象です。
28卒の就活は、政府のルールより早く動いている
政府(内閣官房、文部科学省、厚生労働省、経済産業省)は、2026年3月24日付の要請で、28卒の日程を次のように示しています。右の列は、学情が企業に聞いた実際の動きです。
| 項目 | 政府の日程ルール(28卒) | 28卒の企業の実際 |
|---|---|---|
| 広報活動の開始 | 2027年3月1日以降 | インターンシップ等の広報は、3年生の4月開始が38.9%で最多 |
| 採用選考活動の開始 | 2027年6月1日以降 | 選考開始は、3年生の10月が16.4%、12月が10.9%、11月が9.8% |
| 正式な内定日 | 2027年10月1日以降 | 内々定出しの開始は、3年生の12月が21.8%で最多 |
学情の調査は、2026年6月22日から7月3日に、企業・団体の人事担当者450社へ聞いたものです。職種は問わない数字なので、エンジニア採用の目安として読んでください。
政府の考え方(関係省庁連絡会議、2025年12月26日)は、この日程が企業の採用活動を法的に拘束するものではない、と書いています。学生が学業に専念し、安心して就活できる環境を目指す要請です。
ルールは3月・6月・10月でも、実際の動きはインターンと早期選考で前倒しされています。同じ文書では、インターン等に学生の約7割が参加し、参加は卒業・修了前年度(3年生)の7月から本格化、参加者の約7割が早期選考の案内を受けたとされています。
日程ルールの見直しは、2028年度(2029年3月)以降の卒業・修了予定者、つまり29卒からが検討の対象です。28卒は、現行の日程ルールの建前と、早期化した実態の両方のもとで動きます。
3年春から内定までの年間スケジュール
時期ごとの動きを、1枚にまとめます。実際の日程は企業ごとに違うため、早い企業に合わせて準備しておく考え方です。
| 時期 | 企業と学生の主な動き | エンジニア志望がやること |
|---|---|---|
| 3年の4〜6月 | 企業のインターン広報が始まり、夏の応募が動く | 個人開発を1本公開し、応募先の管理表を作る |
| 3年の7〜9月 | 夏のインターン。開催開始は3年生の8月が最多 | 5日間以上のインターンに応募し、基礎の実装を練習する |
| 3年の10〜12月 | 秋冬のインターン、早期選考。選考開始は10月、内々定出しは12月が目立つ | コーディングテストと技術面接の準備、志望の優先順位づけ |
| 3年の1〜2月 | 早期選考が続く。3年次の授業が終わる2月以降、面接と内々定が増える | 試験・授業と面接が重ならないよう日程を調整する |
| 3年の3月 | 広報活動の解禁(3月1日)。本選考のエントリーが始まる | ESと個人開発の説明を仕上げる |
| 4年の4〜6月 | 本選考が本格化。採用選考活動の解禁は6月1日 | 面接の日程管理と、内々定の返答期限の確認 |
| 4年の7〜9月 | 就活を続ける人と、終える人に分かれる | 承諾先を決め、辞退する企業へ早めに連絡する |
| 4年の10月 | 正式な内定日(10月1日)。内定式 | 内定承諾書の内容確認と、入社前の学習 |
3年の4〜9月:個人開発と夏のインターンを整える
学情が企業に聞いた調査では、28卒向けのインターンシップ等の広報開始は「3年生の4月」が38.9%、「3年生の6月」が22.1%でした。4〜6月を合わせると72.2%に上ります。
開催の開始は「3年生の8月」が21.8%、「6月」が19.1%、「7月」が16.9%で、8月までに始める企業は88.6%です。夏までに動き出す企業が、ほとんどを占めます。
学生の側も、同じように動いています。マイナビの28卒調査(大学3年生・大学院1年生)では、キャリア形成活動への参加は4月が19.1%、7月が55.4%でした。
7月の内訳は、インターンシップ(実務体験を含む5日間以上)が12.8%、仕事体験が26.4%、オープン・カンパニーなどが35.9%です。エンジニア志望の28卒126人に聞いたpaizaの調査(2026年2月)では、就活で最初にしようと考えていることの1位が「インターンシップへの参加」(38.8%)でした。
インターンは、種類で扱いが違います。文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意では、次の4つに分けられています。
- オープン・カンパニー(タイプ1):企業や業界の情報提供。就業体験は必須ではない
- キャリア教育(タイプ2):教育が目的。就業体験は必須ではない
- 汎用的能力・専門活用型インターンシップ(タイプ3):就業体験が必須で、能力の見極めや評価材料の取得が目的
- 高度専門型インターンシップ(タイプ4、試行):タイプ3と同じく、就業体験が必須
「インターンシップ」と称して実施できるのは、就業体験を伴うタイプ3と4です。タイプ3は、実施期間が汎用能力活用型で5日間以上、専門活用型で2週間以上です。
実施期間の半分を超える日数を就業体験にあて、職場の社員が学生を指導してフィードバックすることなども、タイプ3の条件です。
このタイプ3で得た学生情報は、広報活動の開始後(3月以降)と、採用選考活動の開始後(6月以降)に限って、企業が使えます。大学側(就職問題懇談会)は、オープン・カンパニーとキャリア教育で得た学生情報を、採用活動に使わないよう企業に求めています。
ただ、学情の企業調査では、インターンシップ等を実施する企業の60.4%が、オープン・カンパニーも含めて早期選考を行うと答えました。肩書きが「説明会」でも、選考につながる場合があると考えて準備するのが安全です。
この時期にやることは、次の5つです。
- 個人開発を1本、夏のインターンの応募前までに公開する。小さくてよい
- 志望する職種の方向を、2つまでに絞る
- 応募先を管理表にまとめる。企業名、締切、選考の内容、返答の期限を並べる
- 5日間以上のインターンに、1つは応募する
- 授業や試験の期間と重ならない日程を選ぶ
学業との両立は、エンジニア志望の27卒が就活で難しいと感じることの1位(46.8%)でした(レバテック、2025年12月)。早い時期ほど、学業を先に押さえて日程を決めてください。
すでに夏を過ぎている28卒は、秋冬のインターンと早期選考の応募前までを、個人開発を公開する期限にします。
3年の10〜2月:秋冬のインターンと早期選考
2026年秋に大学3年生の28卒は、この時期にいます。学情の企業調査では、28卒の選考を始める時期は「3年生の10月」が16.4%で最多、「12月」が10.9%、「11月」が9.8%と続きます。
12月までに選考を始める企業は、合わせて68.4%でした。内々定出しの開始は「3年生の12月」が21.8%で、12月までの累計は47.3%です。
インターンシップ等を実施する企業のうち、インターン内で選考を行う企業が5.8%、3月を待たずに早期選考を行う企業が54.6%で、合わせて60.4%でした。「参加者は通常選考で優遇」も19.1%あり、合わせると約8割が採用選考に結びつけています。
学生側の目安もあります。エンジニア職志望の27卒144人への調査(レバテック、2025年12月)では、12月時点で約8割が就活を始めており、約2割がすでに内定を持っていました。
参加したインターン先から内定を得た人は16.2%、参加後に選考へ進まなかった人は37.8%です。インターンに参加しても、そのまま選考に進むとは限りません。
この時期は、早期選考を「本命の前の練習」にも使えます。面接の経験を積むと、本選考で話す内容を整えやすくなるからです。
この時期にやることは、次の5つです。
- 早期選考に出る企業を、第一志望群と練習用に分ける
- コーディングテストの練習を、週1回の習慣にする
- 個人開発の説明を、材料メモを見ずに2分で話せるようにする
- 12月から2月の授業と試験を確認し、面接を入れられる日を洗い出す
- 内々定が出たときの、返答の期限を確認しておく
政府の要請は、企業に対して、面接を土日・祝日、平日の夕方以降、長期休暇期間などに設定し、授業・ゼミ・試験と重ならないようにすることを求めています。日程が授業と重なるときは、変更を相談してかまいません。
3年の3月〜4年の6月:広報解禁と本選考
2027年3月1日は、広報活動の解禁日です。企業の採用サイトや就職サイトで、学生の登録受付が始まる時点が起点と整理されています。
関係省庁連絡会議は、学生アンケートなどをもとに、次のような実態を示しています。
- 多くの大学で3年次の授業が終わる2月以降、最初に面接や内々定を受けた学生が増える
- 4月までに、累計で約9割が採用面接を受け、約7割が内々定を得ている
- 6月までに、累計で約9割が内々定を受けている
採用選考活動の解禁は、6月1日です。専門活用型インターンシップ(実施期間2週間以上)に参加した人材は、この6月の開始時期の例外とされています。
エンジニア志望の27卒が就職先を決めるまでに受けたい企業数は、「1〜4社」が34.0%、「5〜8社」が34.0%でした。約7割が、8社以内で決めたいと考えています。
この時期は、受ける企業を増やすより、志望の優先順位と返答の期限を管理することが大切になります。ESの書き方はエンジニア志望のES・ガクチカの書き方、AIを使うときの注意は新卒エンジニアの就活はAIでどう変わった?27卒・28卒の選考にまとめています。
企業の種類による違いは、新卒エンジニアの企業の選び方が参考になります。就活サービスは、新卒エンジニア向け就活サービス6つを比較で比べられます。
4年の夏〜10月:内々定の承諾と内定式
正式な内定日は10月1日以降で、それより前に出る連絡は内々定と呼ばれます。
関係省庁連絡会議が引く学生アンケートでは、就活が終わったと考えるタイミングは、「内々定をもらった企業の中から就職先を決定したとき」と「志望度の高い企業から内々定をもらった時」で約6割でした。「内定式に出た時・正式な内定通知を受けた時」は約1割弱です。
学生は複数の内々定を持ったまま続け、企業は内定辞退に悩みます。そのあいだで、承諾の返事を急がされる場面が起きます。
政府と大学は、企業が次のような行為をしないよう求めています。
- 内々定の段階で、内定承諾書や誓約書の提出を求める
- 内々定と引き換えに、他社への就職活動をやめるよう強要する
- 内定を承諾することに、保護者の同意を強要する
- 学生を長時間拘束する選考会、研修、行事を実施する
「就活エージェント」の名称で職業紹介を行う事業者が、内々定と引き換えに他社の就活をやめるよう迫る例にも、同じ注意が向けられています。困ったときの相談先は、大学のキャリアセンターと、都道府県労働局・ハローワークです。
また、2026年10月1日から、改正男女雇用機会均等法により、全ての事業主に、求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止の措置を講じることが義務づけられました。
一方で、政府の要請は、大学が学生に対して、不必要に複数の内々定を持ち続けず、節度ある就職活動を行うよう周知するとしています。承諾する企業が決まったら、辞退する企業への連絡は早めに入れます。
承諾の前に、次の点を確かめてください。
- 配属される職種と、勤務地
- 研修の内容と期間
- 開発の環境と、使う技術
- 初任給と、手当の内容
- 承諾の返答期限
内定が出なかった場合も、道は残ります。政府の要請は、卒業後少なくとも3年以内の既卒者が、新規卒業・修了予定者の採用枠に応募できる条件にするよう、企業に求めています。
エンジニア志望の準備と、採用側が見ている点
レバテックが新卒エンジニアを採用する企業の採用担当者289人に聞いた調査(2022年2月)では、選考で重視する点は「コミュニケーション能力」58.8%、「論理的思考力」36.7%、「人柄」36.3%の順で、「プログラミングのスキルレベル」は28.0%でした。
技術面のお見送りの理由は、「自分で考えた実装ができていない」が30.1%で最多でした。「プログラミング学習に対する主体性が見られない」22.1%、「ユーザーを意識した成果物の作成ができていない」21.8%が続きます。
重視されるのは、コードの出来栄えより、自分で考えて作った跡と、それを説明する力です。運営会社の採用支援の現場でも、書類の整った人より、作ったものの判断を話せる人のほうが、面接で深い会話になります。
エンジニア志望ならではの準備は、次の3つです。
| 準備 | いつまでに | 採用側が見ること |
|---|---|---|
| 個人開発 | 夏のインターンの応募まで(3年の6月ごろ)に1本 | 自分で考えた実装か。判断と失敗の記録があるか |
| コーディングテスト | 秋冬の選考が始まる前に、週1回の練習 | 基本のロジックを、時間内に実装できるか |
| 技術面接 | 早期選考の前に、個人開発を2分で説明できる状態に | 技術を選んだ理由、詰まった点、チームでの役割 |
個人開発は、大きさより、判断の跡が残っているかで見られます。READMEに「何を作ろうとしたか」「自分が決めたこと」「詰まった点と直し方」を書いておくと、面接で話しやすくなります。
見せ方は、AIで作ったポートフォリオは評価される?分かれ目と書き方で詳しく扱っています。
コーディングテストの形式は、企業やサービスによって違います。練習の目安になるpaizaのプログラミングスキルチェックは、提出したコードが10個以上のテストケースで自動採点され、結果がEからSのランクで示されます。
paizaの説明では、Cランクは比較的簡単なロジックを時間内に実装できる基本的な実装スキル、Dランクは基礎知識の段階で、Eは標準入力で値を取得するチュートリアルの終了時に得るランクです。企業が使うテストと同じ難度とは限りませんが、自分の実装力の位置を知る目安になります。
AIを使ってよいかは、企業の案内に従います。出題側の考え方は、コーディングテストでAI使用OKの企業は何を見る?公表例と準備で整理しました。
技術面接で、運営会社が採用支援の現場で確認する観点は、次のとおりです。
- 個人開発や研究で、自分が決めたことは何か
- その技術を選んだ理由と、選ばなかった選択肢
- 詰まったときに、原因をどう切り分けたか
- チームで取り組んだ経験があれば、自分の役割と、周りとの調整
- 入社後に伸ばしたい分野と、そのために今していること
質問の言い回しは違っても、聞いているのは「その人が自分で考えて作り、説明できるか」です。
今日から1か月でやること
2026年10月から11月は、秋冬のインターンと早期選考の入口です。次の5つを進めてみてください。
- 志望する職種と、企業の種類を2〜3群に分け、応募先の管理表を作る。企業名、締切、選考、返答期限を入れる
- 個人開発のREADMEを更新し、材料メモを見ずに2分で説明する練習をする
- コーディングテストの練習を、週1回、30〜60分で始める
- 12月から2月の授業と試験の予定を確認し、面接を入れられる日を洗い出す
- 大学のキャリアセンターに、早期選考と内々定の扱いを相談する
エンジニア職志望の27卒が就活で信頼する相談先は、1位が「キャリアセンター」(52.1%)でした。学情の調査では、大学3年生の95.6%がインターンシップへの参加に前向きです(Re就活キャンパス来訪者497人、2026年6月)。
周りの動きが早くても、準備の順番は変わりません。個人開発、コーディングテスト、技術面接の説明を、早い時期に1つずつ整えていきます。



