エンジニア進路図

コーディングテストでAI使用OKの企業は何を見る?公表例と準備

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コーディングテストでAI使用OKの企業は何を見る?公表例と準備

現役向け新卒向け

コーディングテストや技術面接でAI使用OKの企業は、AIの出力を確かめ、判断を説明できるかを見ています。CanvaやGoogleなど公表例7社を表にし、採用側の見方と受験前の準備をまとめました。

目次
  1. 「AI使用OK」には4つの形がある
  2. AI使用OKを公表している7社
  3. 企業が評価すると書いていること:共通する3つ
  4. 採用側から見て、差がつくのはどこか
  5. 「OK」でも気をつけること
  6. 今日からできる準備

「AI使用OK」の選考で見られているのは、コードを速く書けるかよりも、AIを使いながら問題を分解し、出力を確かめ、判断の理由を説明できるかです。Canva、Google、Applied Intuitionなどが、そう書いている、または報じられています。

「AI使用OK」には4つの形がある

同じ「AI使用OK」でも、中身は会社ごとに違います。公表例は、次の4つの形に分けられます。

  • 面接中に使う型:面接官の前で、AIアシスタントを使いながら課題を解きます(Canva、Meta、Google)
  • 作って見せる型:数時間でAIを使って動くものを作り、あとで判断の理由を説明します(Applied Intuition)
  • 提出物に申告つきで使う型:提出するコードにAIを使ってよいが、ツール名と使った内容を書きます(Cygames)
  • 案内された課題だけ使う型:既定ではAI不可で、案内で明示された課題だけ使えます(Anthropic)

どの型かで、準備の中身が変わります。

面接中に使う型なら、話しながら進める練習が要ります。提出物の型なら、AIを使った記録を残す習慣が要ります。

AI使用OKを公表している7社

企業・時期 形式と対象 評価すると書かれていること 出典
Canva(2025年6月・10月) 「AI-Assisted Coding」ラウンド。バックエンド・機械学習・フロントエンドの候補者が対象で、Copilot・Cursor・Claudeなどの使用を前提とし、事前の練習を勧めている。バックエンドとフロントエンドでは従来のCS基礎の面接を置き換えた(試行段階と記載) AIをいつ・どう使うか、曖昧な要件の分解、AIを使いながらの技術判断、AI生成コードの問題の発見と修正、本番水準を満たすか Canva Engineering Blog(6月)、同(10月)
Meta(2025年7月の報道) AIアシスタントを使えるコーディング面接。社内投稿の段階で、社員に模擬候補者を募っていると報じられた 社内投稿は「開発者の実環境に近く、LLMによる不正が効きにくい」と説明 Business Insider(AOL転載)
Google(2026年5月の報道) 「コード理解」ラウンドで、承認済みのAI(Gemini)を使用可。米国の一部チームのジュニア〜ミドル職で、2026年下期に始まるパイロットと報じられた。既存コードを読み、デバッグし、最適化する AI fluency(プロンプト、出力の検証、デバッグ) Moneywise(Yahoo Finance配信)
Applied Intuition(2026年7月) オンサイト面接で、設計したシステムの実動プロトタイプを、任意のAIモデル・フレームワークで2時間で作り、エンジニアのパネルの前で実演して説明する。電話の技術面接(45分)はAIなし AI活用力、意思決定力、技術的な卓越性。試行で確かな評価ができたのは、実践的スキル、未知の課題への対応力、技術的コミュニケーション、論理的思考、技術力 同社エンジニアリングブログ(日本語)
Anthropic(2026年1月) 性能最適化のテイクホーム(持ち帰り課題)。応募者向け案内は、課題も面接も既定ではAIなしで、案内で明示された場合だけ使える。ブログは、この課題の初版ではAIツールの使用を明示的に認めたと説明 ブログが挙げる評価対象は、最適化の発想、既存システムの理解、デバッグ用ツールを作る判断など Anthropic Engineering、応募者向けガイダンス
Cygames(2026年10月制定。新卒・インターン) 提出物のプログラミングのソースコード(デバッグ含む)は、制作過程の補助的な利用に限りAI可。使ったツール名と利用内容を指定の箇所に明記する。デザイナーの2D・3Dグラフィック作品はAI不可 創造性と独創性を適切に評価する、との記載。規定を外れると選考資格を失う 新卒採用サイトの規定
Musinsa(韓国のファッションプラットフォーム。2026年3月) 新卒エンジニアの公開採用で、コーディングテスト、AIツール活用能力テスト、オフライン面接の順。約2,000人が応募し66人を採用 コーディング能力だけでなく、AIツールをどの程度使いこなし、実務の課題解決につなげられるか Digital Today(日本語版)

「検討中」の例もあります。カミナシのエンジニアブログ(2026年9月)は、持ち帰り課題とオンラインコーディングテストをやめ、設計を題材にしたライブのインタビューへ切り替える方向を検討していると書き、AIは「使っても使わなくても構いません」としています。

ただし、チームごとに選考の設計が違い、内容は約束ではないとも断っています。

禁止する企業もあります。Forbes JAPANの記事(2025年12月)は、Amazonが公平性を理由にAIツールの使用を厳しく禁止していると伝えています。

企業が評価すると書いていること:共通する3つ

評価基準を書いていた3社(Canva、Google、Applied Intuition)を見比べると、共通するのは次の3つです。

  • 何をAIに任せるかを決める力:Canvaは曖昧な要件を分解できるかを、Applied Intuitionは意思決定力を挙げています
  • 出力を確かめて直す力:Canvaはどのように使うかの判断に加えて、AI生成コードの問題を見つけて直せるかと、本番水準を満たすかを、Googleは出力の検証とデバッグを挙げています
  • 判断を説明する力:Canvaは選んだ理由・トレードオフ・改善点を説明できる人が強いと書き、Applied Intuitionは作ったものをエンジニアのパネルの前で実演させ、判断の背景や改善点を説明させています

見落としやすい点もあります。Applied Intuitionは、電話での技術面接を、AIを使わない45分のコーディング課題のまま残しています。

コードの洗練度と設計力は、電話面接のほうが見極めやすいという説明です。AIが使える場面だけでなく、使わない場面を残している会社もあります。

採用側から見て、差がつくのはどこか

差がつきやすいのは、AIの出力を受け取ったあとの動きです。Canvaは2本目のブログで、つまずきやすい候補者の型に3つの名前をつけています。

  • AI Showcase:与えられた課題より、AIツールを使いこなす姿を見せることが目的になる
  • Feature Marathon:機能を急いで増やし、AIの出力をすぐ受け入れる
  • Hands-Off:AIに任せすぎて、自分で出力を確認しない

反対に強い候補者は、コードを書く前に計画を立て、AIをひな形づくりやAPIの調査、定型作業に使い、生成されたコードを批判的に読んで、選択の理由とトレードオフ、改善案を説明できる、と書かれています。Canvaは、見ているのはAIとの協働で強化されたエンジニアリング能力であって、AIスキル単体ではないとも書いています。

AIとの付き合い方で、理解の深さが分かれるという研究もあります。Anthropicが2026年1月に公表した実験では、Pythonの非同期処理ライブラリを初めて使うソフトウェアエンジニア52人(多くは経験の浅い人)を、AIありとなしに分けて課題を解かせ、そのあとの理解度テストの平均を比べました。

AIありは50%、なしは67%で、差が最も大きかったのはデバッグの問題でした。AIありの中でも、コードの記述を全部任せた人や、デバッグをAIに任せて自分では理解しなかった人は低く、コードを生成させたあとに質問して理解を深めた人や、概念を質問して自分で直した人は高い点でした。

これは学習の実験で、面接の研究ではありません。人数が少なく、直後の理解度だけを測っており、Anthropic自身も予備的な結果としています。

運営会社でも、自社のプロダクトをAIと開発・運用する中で、同じ分かれ目を経験しました。エラーが出ないまま一部のデータが欠けた件や、開発環境では通った権限の漏れが本番まで見つからなかった件では、AIが書いたコードは動いていました。

差を分けたのは、書かせたあとに「取得した件数は総数と合っているか」「本物の権限で試したか」を確かめたかどうかでした。詳しくはAI開発の失敗事例9つに書いています。

選考でも同じ見方になると、編集部は考えています。答えを出す部分はAIで速くなるので、残る差は、出た答えを何で確かめたかです。

なお、採用側にも負担があります。Forbes JAPANの記事は、AIを許可したうえで実力を測るには、単純なプロンプトでは完成しない大きな課題が必要で、その準備とレビューに採用チームの時間がかかると指摘しています。

AI使用OKの選考を設計する側の負担の大きさが分かります。

「OK」でも気をつけること

  • 既定は不可の会社があります。Anthropicの案内は、面接は明示がなければAIなし、応募書類は自分で書いた下書きの推敲にだけAIを使ってよく、経験していないことをAIに作らせるのは不可、と分けています
  • 申告が条件の会社があります。Cygamesは、使ったツール名と利用内容の明記を求め、規定を外れた提出物があれば選考資格を失うと定めています
  • 自宅で解く課題は、AIの可否が分からなければ使わずに質問します。カミナシのブログは、持ち帰り課題ではAI以降に提出物から本人の寄与が読み取れなくなったこと、オンラインコーディングテストは監視がなければAI利用と区別がつかないことを、見直しの理由に挙げています。可否が曖昧な課題ほど、事前の確認が大事になります

今日からできる準備

  1. 案内文で3点を確認します:AIを使ってよいか、使えるツールは何か、使った内容の申告は要るか。書いていなければ、人事に質問します
  2. 使うツールで事前に練習します:Canvaは、候補者に事前にAIツールの使用を伝え、練習を強く勧めています
  3. 1問を「計画、生成、確認、説明」の順で解く練習をします:最初に要件を自分の言葉で書き出し、曖昧な点は質問に変えます。AIの出力は、実行する前に読みます。空・最大値・重複などの境界値で試し、最後に選んだ理由を一言で言います
  4. AIなしでも基本を書けるようにしておきます:Applied Intuitionのように、AIなしの面接を残す会社があります
  5. 声に出して進める練習をします:個人の体験記(2026年7月公開)では、AI使用OKのコーディングテストが、面接官が隣で画面を見る1時間のライブ形式でした。体験を書いた人は、コードだけでなく、疑問点の確認や方針の言語化といったコミュニケーションも見られていたと感じたそうです。

選考の案内が出たら、まず1番を確認してください。案内に書かれていないことは、受験前に質問して確かめられます。

よくある質問

Q.コーディングテストでChatGPTなどのAIを使うとバレますか

A.検知の仕組みは会社ごとに違います。技術ブログには、監視のない自動採点ではAI利用と区別がつかないという面接官側の指摘があります。案内にAI使用不可とあれば使わないのが前提で、AI使用OKの選考では、使ったこと自体より、使い方と判断の理由を説明できるかが見られます。

Q.AI使用OKのコーディングテストは、普通のテストより簡単になりますか

A.簡単になるとは限りません。Googleは既存のコードを読み、デバッグし、最適化する課題を報じられ、Applied Intuitionは2時間で動くプロトタイプを作らせて判断を説明させています。AIで書く部分が速くなる分、問題の形が変わり、確かめる力と説明する力が問われます。

Q.AI使用OKの選考では、どのAIツールを使えばよいですか

A.案内で指定されたものを使います。Canvaの記事はCopilot・Cursor・Claudeを挙げ、Googleは承認済みのGeminiと報じられています。指定がない場合は、受験前に人事へ質問してください。使い慣れたツールで事前に練習しておくことを、Canvaは候補者に勧めています。

出典(13件)
  1. Yes, You Can Use AI in Our Interviews. In fact, we insist(Canva Engineering Blog) 閲覧日 2026-10-13
  2. AI Interview Success: An Interviewer's Inside Guide(Canva Engineering Blog) 閲覧日 2026-10-13
  3. Meta will let some job candidates use AI in their coding interviews(Business Insider記事のAOL転載)(Business Insider(AOL)) 閲覧日 2026-10-13
  4. ‘Like asking a kid to take a math test without a calculator’: Google will let candidates use AI in interviews(Moneywise(Yahoo Finance配信。Business Insiderの報道を引用)) 閲覧日 2026-10-13
  5. Hiring engineers for the age of agents(Applied Intuition Engineering Blog(日本語版)) 閲覧日 2026-10-13
  6. Designing AI resistant technical evaluations(Anthropic Engineering) 閲覧日 2026-10-13
  7. Guidance on Candidates' AI Usage(Anthropic) 閲覧日 2026-10-13
  8. 選考における提出物と生成AIツールの利用について(株式会社Cygames 新卒採用サイト) 閲覧日 2026-10-13
  9. Musinsa、AI活用前提の新卒エンジニア66人を公開採用(Digital Today(日本語版)) 閲覧日 2026-10-13
  10. AI時代のエンジニア選考・面接のパターン(カミナシ エンジニアブログ) 閲覧日 2026-10-13
  11. エンジニアリング面接でAIツールの使用は許可すべきか?(Forbes JAPAN) 閲覧日 2026-10-13
  12. 【体験記】生成AI使用OKのコーディングテストを受けた話・面接官の目の前で1時間ライブコーディング(工場プログラマーのモダン開発プラクティス(個人ブログ)) 閲覧日 2026-10-13
  13. How AI assistance impacts the formation of coding skills(Anthropic Research) 閲覧日 2026-10-13

文:エンジニア進路図編集部(運営:株式会社OpenYouth) 編集方針

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